日曜日
※現パロ、下ネタです。
乱受前提ですが、ラブ要素皆無です。
苦手な方はご注意下さい。
設定:全寮制、各人個人部屋持ち、学年混合で部屋割されている為、五年ズはたまたま乱太郎の部屋の周りに密集している。
日曜の午後3時。
外はいい天気で、用事もない。
そんな日は乱太郎を遊びにでも誘って目一杯癒されよう!と、いつもの五人が乱太郎の部屋の前に集まるのも、もはや恒例と化していた。
「示し合わせた訳でもないのにこのタイミング…なんか俺もう感動って言うか気持ち悪い、お前ら気持ち悪い!」
鉢屋がげんなりしながら話し出したかと思えば、他の四人を指差しビシリと言い放つ。
「他の皆は別に何とも思わないがお前が一番気持ち悪いからな」
久々知が無表情にさらりと言い返し、竹谷が盛大に頷いた。
尾浜は苦笑を禁じ得ず、雷蔵はもはや鉢屋など眼中にない。
「ねぇ、さっきから乱太郎の部屋から何か聞こえるんだけど…」
「?」
雷蔵の発言に全員がそっと乱太郎の部屋の扉に張り付き、聞き耳を立てた(怪しい事この上ない)。
そして聞こえて来たのは…
『…っは、ぁん………ぁ、んっ』
「……………………」
『だ、だめぇ……ぁあっ』
「…うそ」
「…な、なぁ」
「…うん」
「…え、なぁこれ」
「…俺は認めない俺は認めない俺は認めない俺は認め「三郎うるせぇ」
中から聞こえる艶かしい喘ぎ声に、五人は無意識に膝を着き絶望感を露にした。
(え、乱太郎?これ乱太郎なの?)
(…乱太郎が女連れ込むってことはなさそうだし、やっぱりこれって)
(…なんか、ショックだ…ホモなんてけっこうゴロゴロいるけど、俺の乱太郎が…乱太郎が…)
(今この部屋の中で乱太郎が…あんなことやそんなことやこんなことまでされて)
(………………うっ、うらやましい)
五人の性癖は今まで至ってノーマルなはずだったが、今彼等の頭の中ではあられもない乱太郎の姿が妄想され体は前屈みに、お互いやたらと気まずい雰囲気になっていた。
「…か、帰るか」
「う、うん…そうだね」
竹谷がそう言うのに、雷蔵が頷いた時、ハッと顔を上げた尾浜がもう一度扉に張り付いた。
「ちょっ勘ちゃんどっかの変態みたいな真似はやめてくれ!」
思わず叫んだ久々知だが、さりげなく暴言を吐かれた鉢屋本人が、気にもしないで尾浜に並んで扉に張り付いたので更に「うわっ」と呻いた。
「お前ら本当怖い、気持ち悪いぞ」
普段なら地味に胸の奥を刔る辛辣な台詞だか、今の二人には届かない。
「…嫌、がってる?」
「あぁ、これ…もしかして無理矢理じゃあ…」
神妙な面持ちで呟いた二人に、他の三人は一斉に顔色を変えた。
「えっどういうこと!?」
「乱太郎がめちゃくちゃ嫌がってる!どうしようこれ!助けるべきだよな!?」
らしくなく動揺しているらしい鉢屋が尾浜の肩を揺らし叫ぶ。
慌てた雷蔵達が扉に耳をあてると確かに…
『いやっ!やめっ!!やめてぇえっ!!!』
小さい声だったがもはや悲鳴だ。
事は一刻を争う。
全員が目を合わせ頷き立ち上がると、1番手に久々知が部屋の呼び鈴を連呼した。
ピタリと中の音が止む。
息を呑む空気に、竹谷が「部屋の鍵、借りて来る」と皆に背を向けようとしたその時。
ガチャリ。
「あ、あの…どうか、しましたか?」
明らかに動揺した感じの乱太郎が薄く部屋の扉を開きこちらを窺っていた。
幸い服の乱れ等は見当たらない。
「乱太郎?今、一人?」
極力乱太郎を怯えさせないよう、雷蔵が優しく問い掛ける。
「は、はい…一人です」
怖ず怖ずと答える乱太郎に、今度は鉢屋と久々知が身を乗り出した。
「乱太郎、俺達知ってるんだ、隠さなくていい…正直に言え」
「中にいるのは誰だ?」
怒りを抑えているのか、口調に荒々しさは目立たないが、普段の優しい先輩達では無いような鋭い刺を感じる。
「あの、本当に誰も」
「乱太郎に無理矢理酷いことするような奴、庇わなくていい」
「え?」
あんな悲鳴を上げるような酷い事をされそうだったくせに、その相手を庇うなんて…!
五人の怒りのボルテージは明らかに嫉妬と言う燃料を得て更に高まっていた。
「とりあえず、中を見せてね」
五人1番優しい尾浜ですら、竹谷と二人半開きの扉に手を掛け無理矢理部屋へ押し入る。
「えっ!あっ!中は!中はダメです!入らないで!」
乱太郎が縋り付くのも構わず五人が奥の部屋へ乗り込むと…
「え、あれ」
「本当誰も、いない」
「っていうかこれ」
積み上げられたアダルトDVDがそこにはあった。
乱太郎の部屋に…AV、なんだかいたたまれない気持ちになると同時に、先程の声の正体を知る。
「あ、えと…乱太郎」
(意外と激しいのが趣味なのな…)
手に取ったDVDは『監禁凌辱24時!〜もう綺麗な身体には戻れない〜』だった。
「違っ!違います!違います!!違いますからねっ!!!!」
真っ赤になって物凄い勢いで否定する乱太郎に、五人は生暖かく微笑む。
(乱太郎も、男の子だもんなぁ)
「やめて下さいその視線!これはアルバイトなんですっ!!!!きり丸の!!!!!」
「え?」
きょとんとする五人に、乱太郎は「だから私は嫌だって言ったのに…」そうブツブツと小さく呟いて、罰が悪そうに説明を始めた。
「きり丸がAVの感想を書くアルバイトを持ってきまして…その本数が200本で…それで、は組の皆で分担を…」
どうやら嘘と言う訳ではないらしい。
積み上げられたAVの傍らにはチェック表と思わしきものもあった。
その後気まずさに耐え切れず乱太郎が五人を追い出し、しばらく五人を避けるように生活をして、五人が乱太郎に避けられている事実に猛烈なショックを受けて乱太郎に食堂で泣きつくのはまた別の話。
終
++++++++
終
違うんだ…
淡々とAVを審査する乱太郎に、いろんな意味でショックを受ける五年の話を書きたかったはずなのに…←←←←←
色々すみませんでした…(土下座
此処まで読んで下さって本当にありがとうございました!