no title3



※no titleから続いています。
現パロです。
苦手な方はご注意下さい。

















































何だって言うんだ。
俺に何をしろって言うんだ。

…違う、分かってるよ。
乱太郎もあのオッサンも、俺に何も望んじゃいない。
むしろ何もして欲しくないんだ、分かってる。

何かしたいのは俺の方だ。




「…」
俺は無言で携帯を開いた。
『電話していいか?』
挨拶も、前置きもなく、ただそれだけ書いたメールを乱太郎に送った。
しばらくすると『こんにちは、大丈夫ですよ』と乱太郎から返信が来た。
直ぐさま電話をしてコール音を聞く。

「はい」
乱太郎の声が、した。
「悪いな、いきなり」
「いえ、どうしたんですか?」
俺の勝手な推測だけど、多分迷惑そうな雰囲気はなくて、ホッとした。
「…本当悪い、理由、ないんだ」
無理に理由を作るのもボロが出るだろうから、俺は正直に言った。
「え?」
当然乱太郎の声は困惑している。
「なぁ、乱太郎。今から会えないか?」
凄い、今俺…迷惑な奴。
自分がされたら「は?ふざけんな」って思う。
だけど乱太郎ならって…思って言ってる、狡い、狡いな、俺。
(ヤバイ、なんか既に自己嫌悪でヤバイ)

「…どうか、したんですか?」
乱太郎の声は優しかった。
多分明らかに様子のおかしい俺を気遣ってくれているんだろう。
「…会って話したいんだ」
「…わかりました」
何処に行けばいいですか?と聞く乱太郎に、俺は「この前のファミレス」と答えた。



++++++



「えっと、じゃあつまり…雑渡さんに会ったんですか」
「…うん」
向かいに座る乱太郎は淡い緑のTシャツにジーンズだった。
多分家でゆっくりしているところだったんだろうと思うと、酷く申し訳ない気持ちに今更なった俺は、俯いて乱太郎の質問に答えた。

「…俺がお前に関わって、乱太郎が迷惑するって言われた」
「…」
乱太郎は何も言わない。
それに胸がギュッてなる。
(迷惑、迷惑…か、迷惑だよな知ってるよ、だけどさ…)
そんな筋合いなんてないのに、俺は睨むように乱太郎を見上げた。

「俺さ、乱太郎があいつと付き合うの嫌だよ」
「…えっと」
「そういうの理解して一緒にいてくれる奴が必要なら…俺がなる」
何様のつもりなんだと、自分でも思う。
「…お気持ちは、嬉しいんですが」
言葉を濁す乱太郎に、俺は最後の腹を決めた。

「お前が好きなんだ」

「え…?」
「ずっと考えてた、そして思い出した…俺、中学の時から多分乱太郎の事好きだったんだ」
「…多分、て」
唖然としていた乱太郎だが、俺のその一言にクスクスと笑いはじめた。
「いい加減ですね」
「でもほぼ確実なんだ」
「くっはははっ!鉢屋先輩どこまでも曖昧ですよ!」
でも、なんだか『らしい』ですよね。
最後には腹を抱えて笑い出した乱太郎に、俺は内心酷く嬉しくなって、同時に動揺していた。
再開してから初めての、あの頃と変わらない乱太郎の笑顔だったから。
それがあの頃とは比べものにならないくらい綺麗な笑顔だったから。
(何だ、これ…!)
しかしまだ話しは半端だから、俺はそんな内心に気づかれないよう憮然とした表情で尋ねる。

「そこまで笑うことないだろ…なんだよ、らしいって」
まだ腹の辺りが落ち着かないのか、乱太郎は笑いすぎた影響で肩を揺らしながら俺を見た。

深い、深い翡翠の色で。

「鉢屋先輩らしいなって、だって先輩はいつものらりくらりしている人だったから」
「…のらりくらりって」
褒められてはないよな、と少しだけ落ち込んだ。
「私、鉢屋先輩のそういうところ…のらりくらりしてるのに妙な自信に溢れてて、不思議と本番には強くて、いつも何でもこなしてしまうところ…憧れ、でした」
少しだけ伏せた乱太郎は、オレンジの照明に照らされて睫毛が金色に見えた。

(綺麗だ、な…)
無意識に思う。
瞳を奪われて、息を飲む。

(やっぱり、これは恋だ)

「乱太郎、お前が好きだ」
「…多分?」
クスクスと上目遣いに聞いてくる仕草に、キュンと胸がなる。
(重症だ)
「絶対」
「ふふ、またまた」
「お前何だか小悪魔度が上がってないか?」
上がっているどころか、あの頃は微塵も感じなかった。
乱太郎は素直でいい子。それが仲間内でも俺自身の中でも同じ認識で、こんな駆け引きを楽しむような子じゃなかったのに…!
そうは思ってもそれを不快に思うどころか、心拍数はますます上がっていくのだから厄介だ。

「…そうですか?でも、そうなのかな…狡くはなりましたよ、昔より」
「狡いとは、感じないけど…」
「狡いんですよ、だって…」
先輩の言葉に、甘えてしまいたく…なっている。
再び目を伏せた乱太郎に、俺は握りしめられたままテーブルに置かれた乱太郎の手を握った。

「甘えればいいだろ」



乱太郎は泣きそうな顔でくしゃりと笑った。
俺の勘違いでなければ、それはそれは幸せそうに。


+++++++++
言い訳



うわぁあああんっ!
面白みもないオチですみません…!!!!!泣
本当は鉢屋の片思いで終わらせるはずでしたが、ダメでした…orz
纏まらなかった…orz

毎度毎度不完全燃焼な半端駄文ですみません…

ここまで読んで下さって本当に本当にありがとうございました!!!!!