白い日に乗せられて



※微妙に現パロ(?)成長有りです!
苦手な方はご注意下さい。

















































世間は浮かれてホワイトデーなんてお菓子業界の策略にまんまとハマってお祭り騒ぎだ馬鹿らしい。
あ?今あんた俺がバレンタインにチョコ一個も貰えなかったんだ、可哀相とか思った?思ったよな?
この始まりはそれだ!とか思ったのかちくしょう!ちっげーよ!!!
貰いました!すげぇ追い掛けられました女子に!!俺モテますからぁ!!!!

…鉢屋三郎です。

まぁ、でも全部受け取らなかったんだけどな、今年は。
「俺、本命からしか受け取らないって決めてんだ、ごめん」
って全部断りました俺!すげぇ男前!!!(竹谷と久々知にすげぇ馬鹿にされました、あの野郎ども!!)
「女の子の本気をなんだと思ってんの!?受け取るだけ受け取りなさいよ最低っ!!!」
って何故か本人ではなく付き添いの女にぶん殴られたりしました、俺、すげぇ男前…(雷蔵に鼻で笑われました、俺、少し泣きました)。
そんな訳で本命からしかチョコを受け取らない宣言をした俺。

…乱太郎(本命)からチョコ、貰えませんでした。

そりゃそうだ!だって俺達男同志だし!!
俺が乱太郎好きなだけで、乱太郎は至ってノーマルだしな!!
完全に幻想見てた訳だよ!!
根拠もなく乱太郎(本命)からチョコが貰える前提でその他全部のチョコを断ったよ!!
だから竹谷と久々知に爆笑されたんだよ!!

…よって今、世間の浮かれたお祭りムードに俺はイライラしている訳だ。
死ねバレンタインデー。
死ねホワイトデー。
…あぁ、悪いうっかり本音が。
しかし、後悔はしない、俺は今むしゃくしゃしてんだよちくしょーっ!!!

「馬鹿だな」
「馬鹿だよねぇ」
「ばーか」
「…馬鹿だなぁ」
上から久々知(真顔で言うな腐れ豆ぇええ!)、雷蔵(笑顔でとか心えぐんないで…)、竹谷(ニヤニヤ笑いながら伸ばすな!)、尾浜(しみじみ言うなちくしょう!)からのお言葉である。

「なんとでも言え!俺は乱太郎が好きなんだからいいんだよ」
からかう色を存分に含んだ奴らに、真顔でそう言って俺は一人席を立つ。
(気にしてなんてない、例え報われなくても俺のそれは俺の為のこだわりだから、誰に理解されなくてもいい)
なんて格好付けた意味深な煽りを背負って、フッと笑って見せるが、奴らを見たら腹を抱えて笑ってやがった。

「ぷ…くくっ」
「あっはっははっ」
「ぶぁっはっはっ」
「くくっあははっ」
「「「「格好付けてるのが更に痛々しい」」」」
「ハモんな!!!」

俺は叫んで部屋を飛び出した。





「恥ずかしいのも痛々しいのもわかってるっつーのっ!くそっ」
ぶつぶつ言いながら道端の石ころを蹴飛ばす。

「わぁっ!」
「えっ!?あっ!!」
蹴った先に人が居たらしい、とことん間の悪い…。
すみません、と顔を上げると、そこにいたのは…

「乱、たろ」
「鉢屋先輩!」
にっこりと満面の笑みで微笑む後輩は、間違う事なき俺の想い人!
ああっ!今日も可愛い!

「ど、どうしたんだ?今日は」
「あ、先輩にご用があったんですよ」
「俺に!?」
なんでも乱太郎は俺の元へ向かう途中だったらしい!

「あの、これ」
よかったら貰って下さい、と差し出される小さな包み。
「…これは?」
「チーズケーキです」
「…なんで?」
「ホワイトデーに渡すのも変なんですが、前に先輩…私に唐突にケーキを買って下さった事があったじゃないですか」
ニコニコと笑う乱太郎の話しに、俺は年明けにコンビニで乱太郎にケーキを買ったのを思い出す。
特に意味もなく、あの時は乱太郎が食べたそうにしていたケーキをその場でプレゼントして一緒に食べたのだった。
本当に意味のない、ただの間食として…。
「私あの時凄く嬉しかったんです」
あのケーキ季節限定だったし。
と、乱太郎がくったくなく笑う。

「ホワイトデーのコーナーを何と無く見ていたら、このケーキを見て美味しそうで…そしたら私鉢屋先輩を思い出してしまって…」
あははっと笑ってから乱太郎は、困ったように俺を見上げた。



「また、一緒に食べませんか?」



この瞬間、俺は俺をせせら笑った奴らに心の中で叫んだ。

「もちろん!」
(見たか俺勝ち組ぃいいいいっ!!!!)


+++++++
言い訳

バレンタインに話しが上げられなかったのはこういうわけでした←すみません、嘘ですごめんなさい(土下座
久々の更新がまたこんな酷い話しですみません…(土下座
ちなみに乱太郎から鉢屋にラブな感情は一切ありません(哀
完全なる鉢屋さんの片思いです←

ここまで読んで下さって本当にありがとうございました!!