例えば
※年齢操作未来捏造です。
こへ卒業後乱太郎六年くらい。
ぬるいですが性描写有り。
苦手な方はご注意下さい。
告白、逢い引き、口付け、指切り。
身体を重ねて初めて感じる。
温もり、喜び、切なさ、虚しさ。
だって、こんな関係。
非生産的すぎる。
私が好きになったのは男性でした。
そして私も、男でした。
男に生まれたことを、後悔した事はありません。
しかし貴方を好きになってから、女性を羨ましいと感じました。
だって女に生まれたと言うだけで、貴方と堂々と腕を組んで歩けます。
人前で堂々と私は貴方が好きだと言えるのです。
そして、貴方の子を宿せます。
男に生まれたことを、後悔したことはありません。
しかし女に生まれていれば、と拳を握った事はもう数え切れない程にありました。
男に生まれた以上、女に成りたいとは思いません。
しかし貴方の子が欲しいとは思います。
男同士で夫婦にはなれません。
わかっています。
でも私は貴方と共に生きたいと、願ってしまいました。
「あっあ、ああっ」
自身の口から漏れる声はまるで遊女か雌犬の様で、私は耳を塞ぎたくなります。
でも、貴方は私が声を上げると喜ぶから、だから私は羞恥を堪えて貴方に突き上げられるたび喉の奥からか細い声で高く鳴くのです。
「もう、イく…ぞ」
はぁ、はぁと息荒く耳元で囁く貴方の声に私は背をゾクゾクさせながらその広い背中に腕を回します。
顔を見上げれは貴方は眉間に皺を寄せて、目を閉じたまま一心不乱に私を突き上げます。
(あぁ…私で感じているのだ)
それを感じる瞬間、私は他では得られない程の幸せを感じるのです。
私の声は更に高く、大きく、貴方を気持ち良くさせたくて、自身の気持ちも高ぶらせていきます。
「ぁ…っあ」
小さく貴方も声を上げて、私の腰を掴んだままそこから貴方が出ていこうとするのを私は必死に繋ぎ止めようとしました。
「やだ…っ駄目、中で」
出して。
泣きながら私は貴方に縋り付きます。
貴方は一瞬目を見開いて、一際強く私の中に入り込んで弾けました。
中に広がるその熱に、私も一拍遅れて達しました。
じわりと、切なさと喜びが私の胸の中に広がりました。
「どうした?」
貴方は私を気遣うように優しく頭から頬をなぞります。
私は何も言わずに首を左右に振りました。
「中に出すと腹を下すだろう」
以前に私が体調をおかしくしてから、貴方は中で出す事をしていませんでした。
確かに中にそれを残す事は、元々用途の違う器官なのでリスクしかないのですが、それはただでさえ虚しい行為を更に虚しくさせる事で、私は酷く悲しい気持ちになるのでした。
私の身体は、子を成せない。
私に子を育む揺り篭はありません。
私に柔らかな乳房はありません。
私の身体は歳を重ねる事に強く、丈夫に、まだ線は細いですが華奢とまでは言えず、間違いなく、私の身体は青年へと成長していました。
それは決して悪いことではないのはわかっています。
何故なら私は男だから。
それは自然な変化です(例え望んでいなくとも)。
「乱太郎、好きだ、好きだよ、大好きだ」
貴方の言葉は優しくて、温かくて、しかしとても薄っぺら。
貴方の告白を聞く度に、私の心は満たされて、中から溢れて弾けます。
それは酷く痛みを伴います。
「…はい」
何時からか私は貴方に同じ言葉を返すことは無くなりました。
きっと私の言葉こそ、もっともっと薄っぺらだから。
だからこうして貴方を抱きしめて強く頷くのです(そうするしか出来ないのです)。
「乱太郎が、女だったらよかったのに」
不意に、無神経な貴方は無神経な言葉の針を私に突き立てます。
(酷い、ひどい、ヒドイ、酷い酷い酷い、酷い)
分かってるのに。
言われなくても、私だってそう思ってる(違う、私は男に生まれた事を後悔なんてしていない)。
私はぐらぐら揺れる頭に引きずられないようにグッと拳を握ります。
目頭が熱くなって気持ちが溢れそうになるのに、心は酷く虚しくて空っぽになったように感じます。
(…ごめんなさい、男に生まれて)
それは私の全てを否定する言葉です。
女々しいのは嫌いです。
私は男です。
でも割り切れる程に大人ではありません。
もっと時間が経てば辛く無くなりますか。
もっと大人になれば諦められますか。
では今辛いこの胸の痛みはどうしたら治まりますか。
何も言わずに俯いたまま、泣き出してしまった私を貴方が慌てて抱きしめました。
「いきなりどうした?どこか痛い?どこか苦しい?」
胸が痛いです、胸が苦しいです。
言っても貴方は分からないでしょう?
「どうしてしまったんだ?私、何かしたか?」
はい、とも言えずに首を左右にゆるゆると振る。
「はぁ…」
小さく付かれた溜息に、私の胸が締め付けられる。
(呆れないで、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…捨てないで)
こんなの嫌だ、泣いて縋って見苦しい。
こんな私は嫌われてしまう。
「お前が女だったらなぁ…」
(…もう、消えて、しまいたい)
私は貴方の懐に頭を付けたまま、自分の息をグッと止めた(愚かだ、これで死ねるわけでもないのに)。
「お前が女ならもっと簡単だったのに、泣いて喚いて逃げ出したって捕まえて、無理矢理抱いて子を孕ませて…そうすればもっと簡単にお前を私だけのモノにできたのに」
自嘲気味にそう言った貴方の顔を、久しぶりに正面から見た。
「なぁ、今、不安か?私から逃げたい?」
何を言い出すんだ、貴方は。
「私、私なぁ、お前に捨てられたら、生きていけないぞ?」
なんて、情けない事を言うんだ。
情けない、のに可愛いらしい、愛おしい。
「なぁ、乱太郎、私の事、ちゃんと見て?」
貴方の表情はみるみる内に歪んでいって、今にも泣き出しそうだ。
(こんな、私で良いのですか?)
「こんなっ…こんな私で、良いのですか…?」
私の喉から漏れた声は掠れて小さく、情けない。
(私は、男なのですよ?)
「子も…成せない、男なのに」
貴方は黙って私を見詰める。
(なのに心はこんなにも女々しくて、醜くて)
「私は、貴方が思うような、綺麗な人間ではない…」
のに、と続く言葉は、貴方の胸に飲み込まれた。
「私、乱太郎が好きなんだ」
貴方はぽつりと囁いた。
「乱太郎が女だったらって、言ったばかりだけれど、私は今ここにいるお前が好きで、好きになって、ずっと一緒に居たいって思って」
知ってる、貴方は昔から文学が苦手だ。
気持ちを言葉で紡ぐ事に慣れてない。
そんな貴方が、今精一杯に私を安心させる言葉を探して、紡いでくれている。
「酷い事、言ったよな、ごめん…お前を追い詰めるような事、言った」
精一杯の謝罪をしてくれている。
「でも、私は…お前が良いんだ」
貴方はそう言って、泣きそうな顔で笑った。
凄く凄く、優しくて眩しい、私の大好きな笑顔で。
「なな…松、先…輩ぃ」
そんな先輩を見て、私は子供のように泣きじゃくった。
「ごめっ…ごめ、ん…なさ、ごめんな、さい」
大好きです、大好きです、先輩が、1番…本当に、馬鹿な事を言って、ごめんなさい…。
何度も何度も謝りながら、久しく言っていなかった告白をして、先輩は私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「久しぶりに、聞いた」
先輩が私を力いっぱいに抱きしめてくれる。
多分、これからも…事あるごとに私は不安に駆られて泣くだろう。
でも、きっと。
貴方となら、大丈夫。
そんな、気がした。
終
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言い訳
意味不明で本当にすみません!←毎回な
うじうじ話ですみません…↓↓↓
同性愛って切ないなと改めて思いました←唐突に
レンの僕は女の子じゃないからを聞いていたらこうなりました←←←←←
本当不完全燃焼ですみません…↓↓↓↓
此処まで読んで下さって本当にありがとうございました!