グロテスクロマンス



※年齢操作未来捏造です。
四年生くらいのヤンデレ伏乱です。
苦手な方はご注意下さい。



















































「伏木蔵、なに…してるの?」
「首を切ろうと思って」

とある昼下がり、乱太郎が見付けたのはクナイを片手に暴れる子猫を押さえ付けて微笑む伏木蔵だった。

「ど…どうして?」
乱太郎は目の前の異常な光景になるべく相手を刺激しないよう、必死に平静を装い伏木蔵に問い掛ける。
「送り物にしようと思って」
えへへ…とはにかむ伏木蔵の顔色は悪く、いつもの彼と何も変わらない。
なのにその手に捕えた猫を掴む力は衰えず、猫は苦しげに身じろぎを繰り返してる。

「贈り物?」
「うん、猫が好きらしいから」
どこの世界に好きな生き物の殺して切り離した首を欲しがる奴がいるだろうか。
もしかしたらいるのかも知れないが少なくともこの学園の関係者では見掛けたことはない。
しかし目の前で微笑む伏木蔵はそれを相手が喜ぶ事だと信じて実行しようとしているようだ。

「へ、へぇ…誰に、送るの?」
恐る恐ると乱太郎が問えば伏木蔵は顔を本の少し赤らめる。



「乱太郎だよ」



伏木蔵は微笑む。
酷く穏やかに、優しげに、満足気に。
しかしそれを見た乱太郎は背筋を駆ける悪寒に思わず自身の体をギュッと抱いた。

「乱太郎?寒いの?」
「う、うん…少し、」
あはは…と渇いた笑いを浮かべながら乱太郎は伏木蔵の瞳を見つめる。
伏木蔵のそれは深い深い底の見えない海のように暗く濁っていた。

「どっどうして私に?」
「乱太郎が好きだから」
「あ、ありがとう…でも」
殺してしまうのは可哀相だから…と乱太郎が続けようとするのを遮るように、伏木蔵は呟いた。

「僕は乱太郎が好きだから、乱太郎が好きな物を沢山たくさんあげるよ、そしたら乱太郎も僕を好きになってくれるでしょう」
「ね、ねぇ伏木蔵?そんなことしなくても私は伏木蔵の事…」
なんとか思い止まらせようと乱太郎が口を開くが、伏木蔵はどこか別の誰かと話しているのではないかと思うほどに乱太郎との会話が噛み合わない。



「だからこの猫の次は、は組の皆も箱に詰めて乱太郎にあげるからね」
乱太郎は皆が大好きだもんね。
そう言う伏木蔵の握るクナイには確かな殺意が込められていた。



「ふっ伏木蔵!そんなっ!そんなことしてくれなくても大丈夫だよ!私っ!私、伏木蔵の事もちゃんと好きだから!」
余りに異常な伏木蔵の純粋な殺気に、乱太郎は思わず伏木蔵に飛びつき、話しを聞かせようと声を荒げる。
その弾みに伏木蔵の手元から子猫が逃げる。

「僕のことも、好き?」
乱太郎の言葉に漸く耳を傾けた伏木蔵は、唖然とした表情で乱太郎を見つめる。
「うっうん!勿論!伏木蔵もちゃんと好きだから!だから」
こんなことは止めて!と再び乱太郎が叫ぼうとした声は伏木蔵の唇に奪われる。

「っ!」
「奪っちゃったー…」
凄いスリルー…とクスクス笑う伏木蔵は、いつもの彼に戻ってくれたようで、乱太郎はホッと小さく息をはいた。



「…でも"も"じゃ駄目、だから…ね」
僕だけの乱太郎になってくれなきゃ、駄目だよ。

乱太郎は再び息を飲む。

伏木蔵の濁ったままの瞳が薄く細く微笑んだ。



「乱太郎が、だぁーい好き」



だから僕以外の君の好きな物を全部殺して箱に詰めるから。

「僕だけを好きになってね」

猫を掴んでいた右手を消毒しながらそう言う伏木蔵の瞳は、濁ったままの更にその奥にギラギラと鋭い光を宿していた。




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言い訳

ヤンデレブームがきました←またか
某ボカロ曲を聞いていたら伏乱しか思い浮かばなかったっていう…
久々の更新がこれですみません…↓↓↓

書いていて凄く楽しかったです!笑←

此処まで読んで下さって本当にありがとうございました!