続々・不能な話



※二年後捏造不能滝夜叉丸の話です。
相変わらず下ネタです。
乱受前提ですが要素皆無です。
苦手な方はご注意下さい。




















































時々、時々?
まぁ、その…たまに。

私は男に襲われることがある。



念の為言っておくが私は男だ。
文武両道才色兼備(あぁまるで私の為にある言葉のようだ)な私だ。
老若男女問わず心を奪われてしまうのは言わば必然。
つまりは私のこの美しさが罪であり、他を責める事などできるわけがない。
あぁ…神よ…何故、何故私ばかりがこんなに恵まれた星の元に生まれてしまったのか…。

こほん、話が逸れた。

まぁ仕方がない事とは言え、いきなり知らない先輩や後輩から告白されたり、揚句人通りの少ない倉庫へ連れ込まれたり…正直困っている。
更に、更に今回は無視できない重大な問題まで起こってしまった。
これはこの平滝夜叉丸のこれまで経験した中で1番の問題かもしれない、あぁ、悲劇だ!
神よ…!何故…!何故私にこんな過酷な試練をお与えになるのですか…!あぁ…

「あの、話進まないんで」
まだまだ続きそうだった滝夜叉丸の話を強制終了させたのは保健委員の乱太郎だった。
「それで、結局何処がどうしたんですか?」
「んー、僕が言っていいのー?」
付き添いで来たらしい斉藤タカ丸が、その長身に似合わず可愛いらしく小首を傾げた。
「だっ駄目です!タカ丸さん!私が自分で…!」
「あ、滝夜叉丸先輩はいいです、黙ってて下さい」
「ぐふっ!」
乱太郎が滝夜叉丸の口を無理矢理塞いだ。

「うーんとねぇ、つまりは滝くん不能になっちゃったんだって」
大変だよねぇ、と大して大変そうでもなくタカ丸が笑顔で答えた。

「滝夜叉丸先輩…」
「…っ」
乱太郎が痛々しいそうに滝夜叉丸を見つめると、くっと視線を逸らされた(普段の自信に満ち溢れた彼からは想像もできない)。

「ご愁傷様です」
「ご愁傷様です」
そんな滝夜叉丸を見た二人は顔を見合わせ、深々と頭を下げた。

「これで終わりみたいに言うなー!」
当然滝夜叉丸は声を荒げる。

「いや、だって別に先輩使わないでしょ?」
「うん、だよねー、僕も思ったぁ」
はは、と渇いた笑いを浮かべる乱太郎と無邪気に同意するタカ丸。
そんな二人に憤慨して、滝夜叉丸はガバッと立ち上がり二人を指差す。

「使うに決まってるだろうが!」
「えー、だって先輩自分が1番好きなんですよね?」
「うんうん」
「…ま、まぁな」
事実、滝夜叉丸は自分以上に好きになれる存在はこの世にいないと思っていた(というか普段からそう公言していた)。

「じゃあ別に恋人も要らないですよね?」
「うんうん」
「ま、まぁ…」
当然他人に恋するなど言語道断で、恋をするなら常に鏡の中の自分だった。

「つまり、使いませんよね?」
「うんうん」
乱太郎の表情は<面倒臭い>と分かりやすく書いてあり、なんとかこの勘違いナルシストを丸め込んで帰ってもらおうと必死だった。
「い、いやぁ…それとこれとは…」
自分の事なのにうーんと悩み始めた滝夜叉丸を放って乱太郎は薬箱を片付け始めた。

「いっいややっぱり駄目だ!パーフェクトな私は此処もパーフェクトで無くてはいけないのだ!!」

危なく丸め込まれる所だった!と勝ち誇った笑みを浮かべ滝夜叉丸は自身の股間を指差した。

「あ、そうですか…」
すこぶる面倒臭い。

だから何とかしてくれ保健委員!と滝夜叉丸が乱太郎に宣言すると、委員会を持ち出された以上乱太郎も放って置くことはできなくなってしまう。

(はぁ…面倒臭い、何で数馬先輩がいない時に限って…)
乱太郎は酷く痛む頭を抱えながらため息をついた。



「で、原因とかは分かってるんですか?」
「あ、あぁ…」
「それがねぇ、可哀相な話なんだよねぇ」
タカ丸が滝夜叉丸を酷く憐れむように声をかけた。

「こないだ滝くん、知らない男に襲われたんだって」
「へー、それは災難でしたね」
「乱太郎!お前いい加減ちゃんと話を聞けぇ!」
「え、はい、聞いてます聞いてます」
初っ端から男が男に襲われた話など、できることなら聞きたくはない。

「でも、その時は滝くん見事その男を撃退したんだって」
「ふ、まぁ相手が一人ならばぞうさもない!その時私は…!グダグダグダ」
「あ、(どうでもいいんで)タカ丸さん続けて下さい」
誰かこの一々脱線する暴走列車を何とかしてくれ。
乱太郎は心から思った。

「だけどなんと!その男、くノ一に彼女がいたらしくてね」
「…」
途端滝夜叉丸は口をつぐんだ。
「へー」

「逆恨みした彼女とその友達に滝くん拉致られて…」
「…」
滝夜叉丸の顔色がだんだん悪くなっていく。
「…」

「危うくアソコを切り落とされそうになったんだって」
酷いよねぇ、とまた緊張感のかけらもない調子でタカ丸が説明を終えた。
「…」
「それは…」
悲惨すぎる。
想像以上の内容に乱太郎は言葉を無くし、滝夜叉丸に深く同情した。

「女の子って怖いよねぇ」
「大変、でしたね…」
「…あれは、怖かった」
思い出してしまったのか滝夜叉丸は膝を抱えて俯いてしまった。



「そ、その…治りますから、ゆっくり…治療していきましょう?」
「らっ乱太郎ぉお…」
乱太郎は自身の胸に抱き着きむせび泣き始めた先輩の背をぽんぽんと叩きながら、(私、初めてこの人に心から優しく接しているかもしれない…)と自分でもびっくりな事実を噛み締めていた。


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言い訳

お久しぶりの不能は滝でした。
滝、うざくて本当にすみません…
自分で書いていて苛々しました!←笑

まぁなんといいますか、女の子の方が残酷な事平気でやらかしたりしますよね!笑
今回エロ神様こと小平太は登場無しでした(土下座
代わりにエロ丸様に付き添って貰いました←謝れ
タカ丸は経験豊富だと思います←
相変わらず本当に下らない下ネタですみません…。

此処まで読んで下さって本当にありがとうございました!!