片恋夢想



※年齢操作未来捏造です。
苦手な方はご注意下さい。





















































side≫K




月明かりが差し込んで、俺の手元と君を照らす。

丑三つ時。

誰もが寝静まった静かな夜。
君の首に手を掛ける。

(何、やってんだ俺)
こんなこと、望んでいるはずが無くて、それでもこの両手は君の首をじわじわと締め上げる。

薄く開いた君の唇。
何処か遠くを見詰める瞳。



『好きだ…愛してる、乱太郎』

俺の口から零れたその一言に、満足そうに微笑んだ君はゆっくりと瞳を閉じた。





「はっ!!!」
布団を跳ね退け飛び上がるように目を覚ました。
(なんだよ、…今の)
まだドキドキと心臓がうるさい。
ハッとして隣を見れば、そこにはいつも通り乱太郎としんべえがスヤスヤと眠っていた。

(よかった…)
そう思いながら自身の両手を見つめる。
今もまだ生々しく残るその感触に背筋が震えた。

(どうかしてる、…俺が、乱太郎を殺すなんて)
例え夢でも、それは有り得ない事だった。
乱太郎を憎んだり嫌ったりなんてするはずもなければ出来る訳もない。

しかし、俺は、あの夢は。

(あの一瞬)
(俺は)
(乱太郎を殺やめたあの瞬間)

確かな幸福を、感じていた。

(俺だけのものにしたかった)





そこまで考えて、俺は大きく頭を振り、そんな考えを振り払う。

「…疲れてんだよ」
そう、自分に言い聞かせるようにしてもう一度布団に潜った。



(俺は乱太郎が欲しいけど、)
(乱太郎を殺したいなんて望んでない)

目を、閉じた。






side≫R




月明かりが差し込んで、少しだけ明るいこの部屋。
しかし逆光で君の顔は見えない。

丑三つ時。

誰もが寝静まった静かな夜。
君が私の首に手を掛ける。

首に感じる君の体温が心地良くて、息苦しさなんて忘れてしまう程に。

どうして、とは思わなかった。
理由なんてどうでもよくて、君が望むのならば全てを君に差し出す覚悟はとうに出来ていたから。

ただ一つだけ、君を置いていって仕舞うのは…心配かな、と思うくらいで、首を絞められて馬乗りにされている今の状況を、怖いとは感じなかった。



『好きだ…愛してる、乱太郎』

苦しそうに歪められた君の表情に、私は一瞬泣きそうになったが、その唇から漏れた言葉に、私は嬉しくて嬉しくて…思わず微笑んだ。



「…」
ぱちりとこそで、目が覚めた。
我ながら酷く悪趣味な夢だと思う。

(きり丸に、殺される夢)

もそもそと布団から這い出し、隣で眠るきり丸を見つめる。

(よく、寝てる)

夢の中で告げられた言葉に、今更ながら頬が熱くなった。
(なんて、都合の良い夢だ)

自嘲を噛み殺してもう一度布団に潜った。





(いいよ、私は)
(きり丸になら、全部あげる)

目を、閉じる。







+++++++++
言い訳

電波ですみません…
乱太郎を殺す夢をみたきり丸と、きり丸に殺される夢をみた乱太郎の話です。
笹豆腐の炉心融解に影響されて何故かきり乱を妄想してしまいました←←←

後半の「二人敵対してる夢を見た〜」からも悶々と妄想しています。
良いですよね…一緒に死んで泡になれたら、幸せですよね。
好きな人と。



ここまで読んで下さってありがとうございました!!