好奇心
※年齢操作未来捏造です。
苦手な方はご注意下さい。
「なぁ口付け、試してみねぇ?」
俺がそういうと、乱太郎は首を傾げて苦笑する。
「いきなりどうしたのさ」
「いやほら、今日授業で習っただろ?」
三年に上がった俺達は、実技こそまだだが奎房術を習った。
「習ったねぇ、教科書で」
「うん、だから実践してみようぜって事」
口付けや枕の内容を授業で習うなんておかしな話だけど、これも忍術の一貫だし、聞いてしまった以上思春期真っ盛りの男としては試してみたくなるのは当然だろう。
「気持ちはわからないでもないけど、なんで私?きりちゃんならより取り見取りじゃない」
乱太郎もその辺は分かってくれたみたいだが、相手が自分となると話は別らしい。
「くノ一は嫌だよ、怖ぇし。うーん、でも確かになんでだ?」
「私に聞かないでよ」
乱太郎が困ったように笑う。
俺は乱太郎の太陽みたいに明るい笑顔も好きだけど、この優しい微笑みも好きだった。
正直本当に良くは分からない。
ただ、乱太郎ならいいなぁ…と思ったのだ。
「乱太郎の事が好きだから?」
「だからなんで疑問系なのさ」
今度はクスクスと笑い出した乱太郎に俺もニシシと笑う。
「でも乱太郎とならしたいって思った」
「女の子じゃなくて?」
「うん、つーかそもそも女とする…ってあんまイメージ湧かなくねぇ?」
「そう?」
「うん」
これは本当の話だった。
幼い頃に母親を失ったからだろうか、俺は周りの皆よりも女に対しての興味が薄い。
普通だったら逆だろうとも思うが、恐らくずっと此処で暮らして来て、無くしたものに焦がれなくても済むくらいに、一緒にいてくれた乱太郎達が十分に俺の心を満たしてくれていたからなんだと思う。
「私はどうかな、男も女もまだ誰とするのもイメージが湧かないよ」
うーん、と天井を見上げて呟く乱太郎。
乱太郎の指は先程から読み掛けの本をめくっては閉じ、めくっては閉じを繰り返している。
それは乱太郎が何か考え事をしている時の癖だった。
(意外と落ち着きがないんだよな)
と自分だけが知る乱太郎の癖を内心微笑ましく思う。
しかし問題は俺と話してるのに一体乱太郎は何をそんなに考えているのか、と言う事だ。
どこかに行ってしまっている意識をなんとかこちらに向けたくて俺は乱太郎の右手を取る。
「え、あ…きりちゃ」
そのまま乱太郎の指先に唇を寄せる。
乱太郎が払わないのをいいことに、指先に口付けたままチロリと乱太郎に視線をやれば、乱太郎は目を見開いて頬を赤らめていた。
「ドキドキする?」
俺が聞けば乱太郎もコクンと頷いた。
「俺も」
ニッと笑って見せて乱太郎を引き寄せる。
「イメージできた?俺との口付け」
顔を真っ赤にしたままこちらを睨む乱太郎に、おかしくなって俺は声を上げて笑う。
「ははっ…くくくっ乱太郎可愛い」
「もっもう!きり丸!」
「なぁ、乱太郎…口付け、してみようぜ?」
もう一度俺がそう言えば、もう乱太郎は何も言わなかった。
終
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言い訳
意味がわからない(土下座
女の子にまだ興味はないけど色事には興味津々のきり丸と同じく乱太郎。
三年で習うのは保健体育的な内容。
四年で更に詳しく習って、五年、六年で実技…かな、と思います←どうでもいい
なんだか恋愛未満ですみません…
グタグダだ…orz
此処まで読んで下さって本当にありがとうございました!