続・不能な話
※三年後捏造不能次屋の話です。
相変わらず下ネタです。
苦手な方はご注意下さい。
三年前の委員長はいっそ清々しい程の女好きで、毎日のように「おっぱいおっぱい」と言っているような人だった。
性格はやんちゃ…なんて言葉では収まらない暴君だったが、裏表のない太陽のような明るい性格と、獣の様に鋭くワイルドな一面に心惹かれる女子も結構いた(らしい)。
よって委員会では散々俺達を振り回し、私生活では彼に好意を持つ女子を振り回してた(らしい)。
そんなあの人は「おっぱいに挟んで貰うと気持ちいい」「すまたも好き」「口でされると癖になる」「でもやっぱり挿れた瞬間が1番いい」とか、とにかくふとした瞬間に猥談を持ち出し(その度滝夜叉丸先輩が二年と一年の耳を塞ぐのに必死になっていた)、揚句の果てには女を紹介するとかなんとか。
当時俺はまだ三年…いたいけな12歳で、色に興味が無かったわけでもないが奎房術すら習う前で…。
だからいきなり先輩に暗がりに連れ込まれたと思えば、目の前には全裸で足を開いた年上の女の人がいて「な、凄いだろ?」とニッコリ笑う先輩に、返す言葉も見つからなくて、揚げ句そんな俺に「クスっ、かーわぃい」なんて微笑まれて…。
トラウマになるなって方が難しい。
以来俺は女が苦手だ。
何て言うか、怖い。
男は獣、何て言うけど女だって同じだ。獣だ。
喰われるよ。マジで。
俺あの時喰われかけたし。
「はぁー…」
そんなこんなで童貞15年。
周りからは意外だと言われる。
俺だって意外だ。
五年の頃には脱童貞を誓い、神崎と伊賀崎を引き連れ商売女の所へ行った事もある。
二人は無事に脱童貞を果たし、何故だか俺は…勃たなかった。
本当、マジで…情けねぇ。
ちょっと泣きそうになった(色んな意味で)。
そんなこんなで「え、俺不能?」みたいな絶望とか、その時相手してくれた店のお姉さんの「うふふっ、かーわぃいっ」なんてまた掛けられた言葉が…なんだ、もう…俺のトラウマとかコンプレックスとか色々…本当まじきつい…。
しかし俺だって男な訳で、美人で熟女に足開かれると気持ち悪くなるけど、可愛い女の子(ここ、ポイントだ。俺はどんなに美人でもグラマーでもスレてる女は駄目なんだ、きっと。だから何て言うか初な娘なら勃つはずなんだ、きっと。)との初体験には…脱童貞を夢見ている訳で。
準備だけはコツコツ積んでいる(何の?とか野暮な質問は無しだぜ)。
でも過去のトラウマだけが原因とも言い切れないからやっぱり誰かに相談したい訳で、こんなこと相談できるのは同期で保健委員長をやってる数馬かな、とか思って医務室に来たわけで…。
そんな訳で…え、どんな訳で?
「多分それは次屋先輩の思う通り精神的な物が原因なんだと思います」
何故に俺は後輩の乱太郎に相談しちゃった訳?
「だよな…」
「男は女性が思うよりもデリケートな生き物ですからね」
優しく微笑む乱太郎だが、俺は既に後悔の念でいっぱいだ。
(何故、何故俺は後輩にこんな相談を…)
「薬、とか…試してみます?」
「は?そんなんあるの?」
(おぉっ!そんな便利なものが!?)
ちょっとだけ乱太郎に相談してよかったと思った(あぁ俺は厳禁なな男さ)。
まぁやっぱり恥ずかしいけど。
「うーん、治療薬…って訳ではないです。くノ一が使う媚薬の改良版みたいな奴です」
薬が効いたとしても根本的な解決にはならないんですが…。
と乱太郎は言葉を濁す。
「身体の性感を高めて、快感を大きくして、先輩のトラウマを上回る興奮を体感する事によって、トラウマ自体を乗り越えるきっかけになれば…と思ったんですが」
しかしこれは相手が居なければ試しようがない。
いきなり女相手に試して、それでも勃たなければ更なるプレッシャーの増加に繋がるだろう。
乱太郎の危惧は次屋も感じたらしく、二人は「うーん」と頭を悩ませる。
「そだ!乱太郎、お前女装して付き合え!」
すげぇ!俺天才!
「は!?何馬鹿なこと言い出すんですか先輩!」
「お前先輩に馬鹿とか言うなよ…」
「あ、すみません…」
乱太郎は素直に謝るが俺は本気だった。
つかうん、乱太郎なら…。
「…」
「え、ちょっと先輩?ちょっ!まじまじと見ないで下さいよ!」
上からジィーっと乱太郎を眺めて思う。
いつからだったか伸ばし始めた朱髪はふわりと軽く、顔は童顔で身長も俺より小さいし、何よりも華奢だ。
うん、いけるだろ。
多分女装したら相当好みだ。
「大丈夫、俺多分お前なら男でも大丈夫!」
グッと親指を突き出して俺が言えば背後から…
「次屋…うちの後輩に手ぇ出したら、その下半身一生使い物にならなくするよ?」
酷い殺気を纏わせて現れたのは同期で現保健委員長の三反田数馬だった。
「あ、数馬!なぁ乱太郎貸して?」
「話し聞いてた!?お前こんな時だけ真っ直ぐ直球とかなんなの本当に!」
いつもはフラフラフラフラ迷ってばっかのくせに!!
数馬が何でそんなに怒るのか俺には良く分からない。
でも多分今は引かないと酷い目に合いそうな気がする。
「分かったよ、今日は諦める」
「はぁ!?」
「じゃ!後でよろしく、乱太郎」
ニッコリ笑って俺が言えば、乱太郎はポカンとしたまま動かない。
とりあえず俺はその日はそのまま長屋に帰った。
うん、俺の脱童貞の日も近い!
「にっ二度と乱太郎に近付くなぁあああっ!!」
一拍遅れて医務室からは数馬の絶叫が響きわたる。
終われ
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言い訳
はい、今回も委員長落ちです。
しかも超マイナー次乱…
すみません…
次屋がこんなになったのは七松のせいです。
七松最低男ですみません。
1番最低なのは私です。
すみません…(土下座
はい…楽しかったです!←お前
此処まで読んで下さってありがとうございました!