不能な話



※下ネタです。
小平太が酷い女好きです。
苦手な方はご注意下さい。






















































「いさっくん大変だ、たたないんだ!」
放課後、珍しく声を潜め真剣な様子で小平太が僕のところへやってきた。

「誰が?」
とりあえず僕は小平太が医務室の入口に仁王立ちするのを見上げて問い掛ける。

「私が!」
「は?今立ってるじゃない」
何を言い出すんだこの男はと、少し呆れて見せれば、小平太は尚も真剣に僕を見る。

「違う!たたないのは私の息子なんだ」
「…いつ作ったの?生後何ヶ月?そんなすぐにホイホイ立つもんでもないよ?」
尚もわけのわからないことを言い出した小平太に、僕はとりあえず思ったままに返答した。
まさかと思いつつ、こいつなら何と無くやらかしていそうで怖い。

「…たたないから作れない」
急にシュンとして小平太が小さく呟く。

「は?………………あー」
意味がわからない…と一瞬思うが直ぐにその答えに行き着いた。
つまりはアレか、そういうことか。

「…」
罰が悪そうに押し黙る小平太に、僕は口を開く。
「つまりはイ…」
「断定するな!こないだまでは勃ってたんだ!」
僕の言葉を全力で妨げて小平太が噛み付くように反論した。

「へー…」
僕はと言えば正直そんなこと知ったこっちゃねえよと言ってやりたい所だが、長年培われた保健委員としての習性がそれを許さない。
「どうしよう…」
普段の彼からは想像もつかない程にどんよりとした空気で、小平太は頭を抱える。

「今更だけどなんでそれを僕に?」
頭が痛いのは僕だよ。

「後生だいさっくん…治療して!」
「…」
土下座せんばかりの勢いに僕は更に頭痛が酷くなるのを感じる。



「うーん…じゃあとりあえずお風呂入って洗って来て」
まずはそれからだと僕は言う。

「洗えってそんな汚いみたいに!」
小平太としては失礼だ!と言いたいようだが、僕の生理的な問題じゃない。
単純に衛生面を考慮してだ。

「別に深い意味はないよ!なにじゃあ消毒液で消毒されたいのかい!?」
「行ってくる!」
僕がそう叫べば小平太はポンっと手を叩きルンルンと風呂へと向かった。






「うーん…特に外因的なものは見つからないけど…」
風呂から上がった小平太の局部を診察すれば(正直見たくない)、そこには特に目立った外傷もなく当然病気のような症状も見られない。

「意味がわからん…突然、本当に突然なんだ」
僕の診断に小平太は再び悲観の色をその顔に浮かべ、まるで悲劇の主人公のように片手で額を覆う。
その原因が原因なので同じ男としては同情を禁じ得ない。
まぁ所詮は他人事だけど。

「はぁ…うーん、病気って線も捨て切れないけど精神的な要因…もありえるね」
こいつに限ってそれは無いだろ…と僕も思うが診察は常に公平に、正確にが僕のモットーだ。

「例えば?」
やはり当の本人にも思い至らないらしく、小平太はぽかんと口を開き首を傾げる。
「うーん…よくわからないけど、僕が聞いた事がある症例は床の最中に物凄い恐怖を味わってのトラウマが原因だったり」
例えば二股掛けてたのがばれて片方に情事の最中に殺されそうになるとか。

「…あとは特別な、本命にしか勃たない、なんて症例も聞いたことあるよ」
「うーん…ないなぁ、基本本命も何も無いし、割り切って付き合える奴としか付き合わないし」
うわ、最悪だよこの男。
しかも悪気がなさそうな所が更に酷い。

「うーん…」
尚も頭を抱えて悩む小平太を僕は無感動に見つめる。

可哀相だとは思う。
しかし正直言って最近の小平太の色遊びは些か度を過ぎている。
少し自重すべきだ。
実の所良い気味だ、と思わないでも無い。

「えと、じゃあ最後にたったのは…」
張り付けた笑顔で僕が優しく聞けば、小平太はうーんと唸る。
「先…週かなぁ?」
「不躾な質問で申し訳ないんだけど、相手は学園の?」
「ああ、でも付き合ってはないぞ」
あっけらかんとしたその答えに先程の事もあり、あぁもう本当にこいつ不能のままで良いんじゃないか?と思っては駄目だろうか。
いいや良いだろう。

「はは…じゃあなんでそういうことする事になったの?」
「うーん、誘われた」
渇いた笑いしか出ない。
誘われたからってホイホイして良い行為じゃない。
行為には常にリスクが伴う。
しかも決まって女性側が被害を被る。
色を覚えたばかりの男は皆そうだが、その辺の自覚が足りない。

「はぁ…これが治ってもそういうの続けてると病気になるよ」
これは今の僕に残った微かな良心からの忠告だ。
「うーん、」
悩む小平太だが…その時、医務室に近付く人の気配に僕らは慌てて身なりを整えた(主に小平太の下半身)。



ガラッ
「伊作せんぱーい!お手伝いに来ましたー!」
元気いっぱいに戸を開き入ってきたのは一年生の乱太郎だった。

「や、やぁ」
「あれ?七松先輩…どうかなさったんですか?」
「あ、あぁ」
二人揃って笑顔が引き攣る。

「怪我ですか?伊作先輩、私にお手伝いできること…」
小平太を心配した乱太郎は(勿体ない、こんな奴を心配する必要なんてないんだよ?)僕を見上げ不安そうにそう言った。

「えっと…」
苦笑して僕がどうごまかそうかと悩んでいるのに、小平太は暢気に乱太郎をチョイチョイと手招きし、その柔らかい髪をくしゃくしゃと撫でる。

「あ、あの…」
くすぐったいのか、乱太郎が肩を竦めて小平太を見上げる。
すると気のせいか小平太の動きがとまる。

「…」
「な、七松先輩?」
急に動きを止めた小平太に驚き、乱太郎は心配そうに覗き込むように小平太を見上げる。

「…いさっくん、治った」
「は?」
突然口を開いた小平太に僕は一瞬反応が遅れる。

「乱太郎見てたら勃った!治った!!」
わーい!!凄いぞ乱太郎!!ありがとう!!!と乱太郎を抱きしめる小平太に今度は僕が固まる番だった。

「え?え?」
乱太郎は意味がわからないようで困惑気味だったが、とりあえず小平太の「治った」の言葉には安堵したのだろう、にこりと笑う(最近思うがこの子の無意識の笑顔はとても可憐で質が悪い)。

「乱太郎っ」
「わわっ!あはは!くすぐったいです先輩!」
小平太は乱太郎を押し倒し服の上から乱太郎をまさぐりだした。
乱太郎がキャッキャッとはしゃぐ声に僕はハッと意識を取り戻し…



「ギャアアアー!乱太郎から離れろ小平太ァアア!!!!」

いっそ去勢手術をしてやろうかと思った。

終われ←
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言い訳



久々の更新がこんな話ですみません…(土下座
不能者を誰にするか悩みました←

最初は成長団蔵と乱太郎で、伊作とこへのやり取りだったのですが、裏へ流れそうだったのでまたの機会にしました←←←

本当にくだらない話ですみません…↓↓↓↓
誰にも相談出来ないで悩んでる不能鉢屋とかも萌えると思います←

ここまで読んで下さって本当にありがとうございました!!